香典は通夜、又は葬儀のときに線香や抹香、花の代わりに持参する不祝儀のことで、現金を水引で結んだのし袋に入れて死者の霊前に供えます。そして香典には急な出費による遺族への相互扶助による助け合いの意味合いもあります。
お悔みごとのマナーとして、のし袋の表書きは喪家の宗教にあったものを持参します。宗教が分からないときは、全ての宗教に対応できる「御霊前」を使用します。また、蓮の絵の付いた香典袋は仏教以外には使えません。それと、四十九日の法要以後には仏様になられたことを敬い「御仏前」を使います。
水引は不幸なことが二度と起こらないようにという意味で「結び切り」を用いて「熨斗」はつけません。弔事では表書きと名前は薄墨で書くのが正式で、中包みには表側の中央に金額を、裏側には住所と名前を忘れずに書きます。
お金は新札の場合は一度折目を付けてから、向きを揃えて、渡したときにお札が裏側に成るように入れます。
葬儀のマナーを覚えるのは難しいと言う人が少なくないですが、決してそんなことはありません。相手のことを思う気持ちを忘れなければ、マナー違反になることはないでしょう。基本的な葬儀のマナーを覚えることはとても大事ですが、最も大事なのは弔意の気持ちです。
香典の持参の仕方や焼香のやり方、服装のことだけを知っていればいいと言うわけではありません。遺族に何かしら誘われたら遠慮をしないと言うのは基本中の基本です。たとえば、食事をしていってください、故人の顔を見てやってくださいと言われたら、物理的に無理ではない限り、断らずに引き受けましょう。
また、弔事を依頼されると、荷が重いと感じてしまう人もいます。自分よりもふさわしい人がいるのではと思うこともあるでしょう。しかし、遠慮せずに遺族の意向を受け止めることです。